育児の大変さを理解してもらえない日々
結婚はしたものの、妊娠は全く望んでいなかったので不安でいっぱいだったが、産むという選択しかなかった。授かった命を無下にするなど当然不可能だと思ったからだ。
それまで派遣社員でそれなりに仕事はしていたものの、ギリギリまで働くが出産後、育児の大変さに仕事を再開することは諦めざるを得なかった。
それは、第一子が病気がちで毎月のように入院するようになったからだ。
なるべく泣かさないようにしなければならず、そして1歳を過ぎるまで続けて4時間以上寝る日は一日もなかった。
毎晩辛くて辛くてベランダで朝方まで子どもを抱っこしながら私も泣いていた時期もあった。
そして私は劇的に痩せていった。1年後気づいた時には 15キロ以上も体重が減り、 遂には40キロをきった。
人は眠れない日々が長く続くと激やせもそうだが、おかしくなってしまうようだ。
今なら「鬱」だと診断されるであろう状態だ。
※当時は「鬱」という認識が世間一般ではなく、もちろん自分もそうだとは思っていなかった。
理解どころか、一人で遊びまわる元夫
そんな私を横目に、元夫は独身の時と変わらずスノーボードだの釣りだのと、毎週のように一人で遊びに行っていた。子どもが入院していてもだ。
私も激やせで免疫力が落ちていたのか、風邪を引いたりする事も多くなったが、育児家事への関心は一切なく何もしない元夫。熱があろうが洗濯をし、食事を作り、子どもの世話を一人でしていた。
今で言う「ワンオペ育児」。
実家もそこそこ遠く頼れなかったが、あまりにもしんどい時は、1時間ちょっとかかる実家へ連れて行かれ、治るまで帰ってくるなと言われた。
現在50代以上の「おっさん」世代は、家事と育児に男は関わらなくて良いと思っている者が本当に多い。この世代は「誰が食わせてやってるんだ」というような考えを持つ男性が多く、そう育てられている。夫の父親もそういうタイプだ。
※全てがそうだというわけではありません。
これから書いていく「回顧録」には、度々このような「ロクデナシ」エピソードが出てくるが、こういう場面の一つ一つが実は「サイコパス」に通じるものなのだ。
「サイコパス」については、後にまた改めて説明しようと思う。
「本当にしんどい」と泣きながら訴えた結果・・・
ある日、「もう限界だ・・・死にたい」と思った私は泣きながら元夫にそれを訴えてみた。
返ってきた言葉は・・・
世界中の人が、子どもを産んで育ててるのに何でオマエは普通に出来ないの?
ただ子どもを育てるだけなんて、男の仕事と比べたら大したことない。
何十年も前に言われた一言だ。根に持って今でも覚えている方がおかしいのかもしれない。
ただ、この一言で私は変わった。
これからもう弱音は吐けない。頼れる人はいないのだ。メソメソするのはやめよう。
「私一人でも子どもを立派に育てる」と決心をした瞬間だったのは今でも鮮明に覚えている。
勝気な性格と、何でも一人でやろうとする性格が、これからどんどん自分を追い込むとは分からずに・・・
ここから約20年。第二子・第三子も生まれ一人で出掛ける事も殆どしない年月を過ごしたのだ。
母親になってから、本当に人生が劇的に変わって行ったのである。
そしてこの頃から、いつか子育てが終わって自由になった時に・・・という願望があったのは間違いない。こういう積み重ねが、自分の中の炎をくすぶらせて行ったのである。
孤独な中、ママ友に救われた
そんな孤独を感じる日々の中だったが、唯一私の財産だったのが近所のママ友達だった。
彼女たちには本当に救われたし、すごく良くしてもらった。同い年の子どもを持つママ友として、何でも話せたし、一緒に子育てをする事で救われた。
自由もなくなって孤独な中、友達がいてくれたことで乗り切れたんだと思う。
インターネットもない時代、寂しくならずに済んだのはこのリアルな友達のおかげ。
昼間、一人で育児せず毎日のように彼女たちと過ごしたおかげで、私の精神状態はかろうじて保たれていたように思う。
そして彼女たちには今でも感謝している。
今、年齢を重ねて分かったこと
当時の私のように育児にしんどさを感じている、毎日頑張っている若いお母さん達へ・・
私は子育てが大変すぎて、「子どもなんて産むんじゃなかった」「そんな風に思う自分は母親失格だ」と、我が子をかわいいと思えない日々だった。自分を自分でずっと非難していた。
(もちろん、今は子ども達を溺愛しているが)
元夫にメンタルをボロボロにされて、笑うことも忘れてしまうような環境なのだから、今思えば追い詰められて余裕もない状況だから仕方ないのに。
子どもは一人で育てられるものではない。周りに助けを求めてもいいのに。
そして時には完璧じゃなくていいし、いい加減でもいいし、投げ出す事も人に頼ることも必要。
一番の理解者であって欲しい元夫に非難されたせいで、自分一人で完璧に何とかしようとしか考えなかった。
夫じゃなくても、実家でも親戚でも友達でも、行政機関でもきっと助けてくれる人がいるはず。
手を伸ばすことを諦めないで、自分を非難するんじゃなくて「しんどい時はしんどい!」と、言うことも大切だと思います。
お母さんが幸せじゃないと、子どもは幸せになれないから。
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