第3話:元夫の独立開業とお金の工面に走り回った日々

第3話:元夫の独立開業とお金の工面に走り回った日々 結婚から離婚までのストーリー

事業なんてなかなかうまくいかない。膨らむ借金と貧しい生活

詳しくは書けないが、諸事情で元夫は独立開業をすることになる。
ちょうど長男が1歳を過ぎた頃。

もちろん行き当たりばったりの開業が最初から上手く行くわけがない。
若干20代半ばの資金も何もない状態からのスタート。

この頃は本当に生活が大変だったが、何とか協力してこの状況を乗り切ろうと必死だった。

それこそ、ガスや電気が止まる事もあったりもした。
家賃の滞納で裁判所からの退去命令が来たり、仕事をしても集金できずに何百万も回収不能になったりで生活のためにと、返済の目途が立っていたカードローンにもまた手を出して借金が増えていく。

そしてまた繰り返す、金融会社からの督促の電話。

その当時は「元夫が働いていない訳ではない。きっと頑張っているけど今は上手くいっていないだけ」と、思い込んでいたのかもしれない。

何とか軌道に乗せるために、自分にも出来ることを!と走り回る日々

家族なのだから自分でも協力出来る事はやろうと 、次男・第三子の長女が生まれたりする中で自分でもお金の工面に走り回っていたこの頃。

そんな時、近所の同じく「自営業者の妻」という、尊敬する先輩ママの助言をいただき、色んな資金繰りの相談に乗ってもらえた。

そこで、今までの借金を一本化し、きちんと資金計画を提出し、まとまった公的資金を借り入れる方法などを教えてもらった。

公的資金を借り入れるためには銀行へ山のような書類の提出をしなければならない。数年分の貸借対照表や損益計算書、その他もろもろの指定の書類など。

何も信用のない個人事業主の借り入れには本当にたくさんの手続きが必要なのである。信用保証協会という所の面接にも出向いたりもした。

幸いな事に、私は商業科卒でOL時代に経理の仕事をやっていた事もあり、貸借対照表程度は作る事が出来ていた。 しかしいくら商業科卒と言っても、所詮素人が作る書類は何度も何度も書き直し。

お金さえ払えば行政書士さんや税理士さんが作ってくれる書類でも、当時は本当にお金がなかったから、自分でやるしかない。1円でも無駄に出来ない状況だったのだ。

雨が降る中子ども達を預ける先もなく、子ども達を連れて書類を届けに行った帰り道に悲しくて悔しくて道端で泣いてしまった事もあった。

そんな情景の1つ1つを思い出す事もあるが、今の自分を作る上で必要な過程だったと今なら思えるのが不思議なものだ。

全ては自分の手柄だと思っている元夫

そんなこんなでやっと全ての書類審査をパスし、まとまった運転資金を借り入れる事が出来て、喜びいさんで元夫に報告した時の言葉がこれだ。

なんでそんなに時間かかるの?友人の〇〇は、簡単に500万ぐらいなら借りれると言ってたのに。

基本的に過去の記憶はあまり残らない私の脳内にも、こういった類の言葉は今でもいくつか残っている。

元夫によると、それは私が勝手にやった事らしい。俺は頼んではいないとも言われた。

今思えば、元夫らしい発言だ。何せサイコパスなのだから。
サイコパスについては後ほど詳しく説明するとして、子ども達を育てるため、夫を支えるためと必死で、普段は何を言われてもあまり気にならない私だが、この時ばかりは虚無感に襲われたことを記憶している。

しかしまとまったお金を低金利で借りられた事もあり、その後順調に返済も進み、数年後には家賃の滞納もせずに何とか家族5人でつつましやかに暮らしていけるようになって来た。

しかし、そこからまた別の大変な道のりが待っているとは思いもせず・・・

今、年齢を重ねて分かったこと

私は自分が相手にしてもらった恩は忘れないように感謝するべき。と心がけるようにしている。
いつか私も何かの形でお返しが出来るようになりたいとも思う。
もちろん相手にもそうあって欲しい、いや誰だってきっとそうだと思っていた。

しかしそれは幻想。私は本当に甘い。

おせっかいもほどほどに。
人によっては、頼まれていない事はやらなくても良い。

私自身、「やってあげている」という驕りがあったのかもしれない。感謝されようと思っていたわけではないが。
大切に想う家族や友人を助けるのは、当たり前だと思っていたがそうでない人間も存在するという事だ。

こういう類の人種は、他人に感謝することはおろか、世話になったにも関わらず屁理屈で非難まで浴びせて自分が優位に立つように仕向けてくる。距離を置くのが妥当だと言えよう。

悲しいかな、この事実に気が付くまでに40年ほどかかった。それまで私は周りの人たちに恵まれていたのであろう。私は甘い。そしてめでたい。

本当に大切な人を見極める力も生きていくには必要な力だ。そして、大切な人のためだけに真心を尽くそう。他はいらない。

頼まれてもいない苦労を勝手に背負い込むより、リスク回避のためにいつでも逃げられるようにしておくことも、ある意味大切なのである。

  • 備えあれば憂いなし
  • 転ばぬ先の杖

昔の人は良く言ったものだ。

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